Deerhunter "Fading Frontier" INTERVIEW

Pitchfork Interview with Bradford Cox HERE



Pitchforkのインタビューを基に私の批評を加え再構成した内容です。発言についてはニュアンスで再現しており、原文通りではありません。


Deerhunterのブラッドフォード・コックスは語る。

“Shelia”(2009年のAtlas Soundの曲)ではキャラクターを演じてたんだ。『誰も一人では死にたくない』と歌った。でも本当は公衆の面前で死にたくなんかないんだ。」

これはDavid Bowieの曲”Jump They say”を意識しているのだろうか。というのも続いて。

 

僕に野望なんかない。Arcade Fireみたいにアリーナで演奏したいわけじゃない。僕のヒーローはPauline OliverosとDavid Bowieだ。Bowieは成功してるけど、ただ独りのBowieであり続ける。僕は自分のやりたいようにしたい、ただそれだけなんだ。」

と語っているからだ。



 新作の収録曲について。 “Living My Life”では意識的に曲を書き裸の気持ちを伝えようとしいているという。 “Fading Frontier”の歌詞については「この曲のコンセプトは一つの時代の終わり、インターネット技術についてだ。若い頃は次に何が起こるかワクワク感があった。今は無い。もう十分経験した。フロンティアは消えた。音楽ビジネスの世界で僕がさらされたこと全て。もう期待しない。哀しく奇妙でメランコリーな気持ち。」そして“fall of the Roman Empire”はもうすべきことは残されていないということ。

 かつて彼は人々の悲しみの代弁者とされた。ファニーでカリスマティックな奇人変人。

 "Monomania"は憎悪のレコードで、彼は痛みと孤独のなかにいたという。 "Cryptograms"については、「ふらふらなレコード。野望なんかない、壊れそうなバンド。半分はテープ・ループ。ピアノの弦がかき鳴らされ、背景では教会のベル、ヴォーカルの細かいサンプリング。BoredomsやBjorkの"Vespertine"から思いついたのかな?」と語る。

「 もうノスタルジアには興味が無い。僕は大人でありたい。一人ぼっちでいたくない。昔のアルバムをライヴで演奏するかって? "Cryptograms"や"Fluorescent Grey"については別の形で再現する。"Microcastle"は嫌い。なぜか分からないけど。」


 「新作は春の最初の日。お出かけしてみんなハッピー、日向ぼっこしたり、犬の散歩したり、お互いに手を振る。一年に一度っきり、ブルータルな冬の後にある、永遠に凍えることなんてないと悟る日。ずっとみじめなわけない。特別な感情なんだ。」


 「バンドは安定期に入った。一人で作曲してるんじゃない。共同作業。50年代のクラシックロックな“Take Care”はお気に入り。いつもの感じ。多くのバンドが同じことを繰り返さない。でも僕はもっとうまくできるなら繰り返す。今は50年代のメロドラマ風のバラードを本当にうまく書ける。」


その一方でプロデューサーとの作業で彼は悩むが、一人では悩めない、仲間がいるから悩めのだとも発言している。我々一人ひとり必ず誰かに必要とされている。だからこそ生きる価値がある。