海外メディアbeehype(English ver.)の野田薫(Kaoru Noda)インタビュー原文です。
How your life in London influenced your music, and your view to see Japan. And tell us about this music video. （ロンドンでの生活があなたの音楽や帰国後の生活にどう影響したか、教えてください。
イギリスには昔から憧れがあり、また、旅行で訪れたときにあまりにもそこの空気に自分がしっくりきたのもあって、この国のこと、ここで鳴っている音楽のことをもっと知りたいと思い、思い切って1年半の間、移住しました。
ロンドンで多くの人やものと出会っていく中で、今まで触れたことのなかった価値観や感覚にももちろん出会いましたが、たとえば向こうで出会った人が日本にいるわたしの友人と偶然にもつながっていたり、日本での生活にリンクする部分が意外にも多かったです。
なのでイギリスでの生活で強く印象に残ったことは、新たな世界の開拓というよりも、自分が大切に思う人やものがある身の回りの世界の“輪”みたいなものがさらに広がったということでした。どこへ行こうと、自分が根本的に大切に思うものは変わらず、そしてそこからつながっていくのだなと。
そんな考えから「小さな世界」という曲ができたのですが、アルバムタイトルはもっと自由にそれを捉えてほしかったので、『この世界』という抽象的な言葉にしました。
MVは毎回監督のアイデアにすべてお任せしていて、どんなものになるのかいつもわからないまま、言われるがままに撮影しています...（笑）。ですが今回のは、いろんな天気や時間帯が切り貼りされている中でひとつの歌のみが続いていく様子が、このイギリス生活を通して得た上記のような感覚とリンクする部分があるなと思いました。
Tell us about sound advisor Reisaburo Adachi and support musicians. （サウンド・アドバイザーのあだち麗三郎さんや他のサポート・ミュージシャンについても教えてください）
今回の参加メンバーは今作において欠かせない存在で、それは録音する前から思っていたことでした。なぜなら、ほとんどが数年前から知っている顔ぶれですが、以前にも増して今現在の自分が改めて彼らから強く影響を受けているからです。
あだちくんはいつも、プレイヤーとして以外にも音を作る面で奇想天外なアイデアをたくさんくれ、自分の音楽に新たな側面を見せてくれます。そこからその曲に対して新たなイメージを持つことも多々あるので、こうだ、と思っていたことを覆してくれる、魔法使い的存在だなと思っています。ですがそれは、今回の場合はエンジニアさんも含めた参加メンバー全員に思っていることかもしれません。
Tell us about collaboration "Towa No Yume" with James Blackshaw. （James Blackshawとのコラボレーションも興味深いです）
Jamesとは初め、音楽以外のところで知り合いました。わたしは当時ロンドンのライヴ・ヴェニュー“cafe OTO”というところでボランティア・スタッフをしていたのですが、そこで定期的に一緒にスタッフをしていた日本人女性が数人いて、みんな音楽が好きでよくOTOに入り浸っていたのですが、その中の一人であったアイちゃんが、現在のJames夫人です。
一緒に働いていた当時はまだアイちゃんと彼は出会っていなかったのですが、出会ったあとに紹介してくれ、そしてみんなで飲みに行ったのを覚えています（笑）。その後わたしも彼の音楽を知り、彼もわたしの音楽を知ってくれ、そして気に入ってくれて、そんな中でふいにJamesからアルバムへの参加のお誘いをもらいました。
「この曲に日本語で詞を書いてくれないかな？」というお願いと一緒に、彼がギターで弾いたメロディーが送られてきたのですが、人のメロディーに言葉をのせるということは今までやったことがなく、かつ今回は、できれば易しい日本語で、ということだったので言葉をどうやって選んだらいいか悩みました（ですが、デモを聴いて、彼があまりにも日本語の発音が上手だったのでとても驚きました！）。
自分が言葉をのせることによって、彼の曲に一定のイメージを付けすぎてしまうのではないかと不安に思って。ですが、何度も何度も繰り返しメロディーを聴いているうちに自然とそれにのって出た言葉や頭の中で広がっていったイメージを大切にして、メロディーに寄り沿える言葉を選んだつもりです。
参考
monchicon [INTERVIEW] James Blackshaw
野田薫のありのまま 野田薫インタビュー(松永良平さんによるロング・インタビューです）
How your life in London influenced your music, and your view to see Japan. And tell us about this music video. （ロンドンでの生活があなたの音楽や帰国後の生活にどう影響したか、教えてください。
イギリスには昔から憧れがあり、また、旅行で訪れたときにあまりにもそこの空気に自分がしっくりきたのもあって、この国のこと、ここで鳴っている音楽のことをもっと知りたいと思い、思い切って1年半の間、移住しました。
ロンドンで多くの人やものと出会っていく中で、今まで触れたことのなかった価値観や感覚にももちろん出会いましたが、たとえば向こうで出会った人が日本にいるわたしの友人と偶然にもつながっていたり、日本での生活にリンクする部分が意外にも多かったです。
なのでイギリスでの生活で強く印象に残ったことは、新たな世界の開拓というよりも、自分が大切に思う人やものがある身の回りの世界の“輪”みたいなものがさらに広がったということでした。どこへ行こうと、自分が根本的に大切に思うものは変わらず、そしてそこからつながっていくのだなと。
そんな考えから「小さな世界」という曲ができたのですが、アルバムタイトルはもっと自由にそれを捉えてほしかったので、『この世界』という抽象的な言葉にしました。
MVは毎回監督のアイデアにすべてお任せしていて、どんなものになるのかいつもわからないまま、言われるがままに撮影しています...（笑）。ですが今回のは、いろんな天気や時間帯が切り貼りされている中でひとつの歌のみが続いていく様子が、このイギリス生活を通して得た上記のような感覚とリンクする部分があるなと思いました。
Tell us about sound advisor Reisaburo Adachi and support musicians. （サウンド・アドバイザーのあだち麗三郎さんや他のサポート・ミュージシャンについても教えてください）
今回の参加メンバーは今作において欠かせない存在で、それは録音する前から思っていたことでした。なぜなら、ほとんどが数年前から知っている顔ぶれですが、以前にも増して今現在の自分が改めて彼らから強く影響を受けているからです。
あだちくんはいつも、プレイヤーとして以外にも音を作る面で奇想天外なアイデアをたくさんくれ、自分の音楽に新たな側面を見せてくれます。そこからその曲に対して新たなイメージを持つことも多々あるので、こうだ、と思っていたことを覆してくれる、魔法使い的存在だなと思っています。ですがそれは、今回の場合はエンジニアさんも含めた参加メンバー全員に思っていることかもしれません。
Tell us about collaboration "Towa No Yume" with James Blackshaw. （James Blackshawとのコラボレーションも興味深いです）
Jamesとは初め、音楽以外のところで知り合いました。わたしは当時ロンドンのライヴ・ヴェニュー“cafe OTO”というところでボランティア・スタッフをしていたのですが、そこで定期的に一緒にスタッフをしていた日本人女性が数人いて、みんな音楽が好きでよくOTOに入り浸っていたのですが、その中の一人であったアイちゃんが、現在のJames夫人です。
一緒に働いていた当時はまだアイちゃんと彼は出会っていなかったのですが、出会ったあとに紹介してくれ、そしてみんなで飲みに行ったのを覚えています（笑）。その後わたしも彼の音楽を知り、彼もわたしの音楽を知ってくれ、そして気に入ってくれて、そんな中でふいにJamesからアルバムへの参加のお誘いをもらいました。
「この曲に日本語で詞を書いてくれないかな？」というお願いと一緒に、彼がギターで弾いたメロディーが送られてきたのですが、人のメロディーに言葉をのせるということは今までやったことがなく、かつ今回は、できれば易しい日本語で、ということだったので言葉をどうやって選んだらいいか悩みました（ですが、デモを聴いて、彼があまりにも日本語の発音が上手だったのでとても驚きました！）。
自分が言葉をのせることによって、彼の曲に一定のイメージを付けすぎてしまうのではないかと不安に思って。ですが、何度も何度も繰り返しメロディーを聴いているうちに自然とそれにのって出た言葉や頭の中で広がっていったイメージを大切にして、メロディーに寄り沿える言葉を選んだつもりです。
参考
monchicon [INTERVIEW] James Blackshaw
野田薫のありのまま 野田薫インタビュー(松永良平さんによるロング・インタビューです）
